Seedance 2.5のストーリーボードとブロックアウト:ショット設計の完全ガイド
Seedance 2.5には文章ではなく視覚的な計画を渡しましょう。最初と最後のフレーム、複数キーフレーム、ストーリーボードのコマ割り、3Dブロックアウトの使い方をOmniArtで解説します。

動画のプロンプトの多くは翻訳の問題です。頭の中にショットがあり、それを言葉で説明し、モデルは近いけれど別のものを再構成します。Seedance 2.5のストーリーボードとブロックアウトは、この往復をなくします。計画そのもの、つまり基準となるフレーム、コマ割りの一覧、グレーの3Dプリビズをモデルに直接渡せるからです。プロンプトの役割は、その計画のどこを引き継ぎ、どこを描き直すかを伝えることだけになります。
これはプリプロダクションのワークフローであり、すでにショット単位で考えている人に向けたものです。ナプキンに4コマの絵コンテを描いたことがある人、Blenderでカメラの動きを仮組みしたことがある人、説明を1行も書く前に開始と終了のフレームを決めたことがある人なら、Seedance 2.5はその成果物をそのまま受け取れます。Seedance 2.5はOmniArtの動画ワークスペースで使えるので、選択して自分の絵コンテで試しながら読み進められます。
以下のすべての技法を貫くルールが1つあります。視覚的な参照素材は指示であると同時に、余計な情報でもあるということです。ここに載せるテンプレートはすべて、参照素材から何を引き継ぎ、何を明示的に無視するかを述べています。
最初と最後のフレームでショットを固定する#
厳密に固定する場合は、開始画像をcontent.role = first_frame、終了画像をcontent.role = last_frameとして渡します。出力の縦横比は開始画像に固定され、長さは設定できます。2枚は同じ縦横比にしてください。自由な縦横比が必要なら、両方をreference_imageとして渡し、プロンプトで開始フレームと終了フレームを個別に指定します。この方法では縦横比は固定されませんが、境界画像は参照に近づくだけです。以下は後者のテンプレートです。
3行目の作りに注目してください。追加の参照素材は使えますが、補えるのは属性だけです。顔、生地、ロゴ、壁の素材といったものに限られます。基準となる構図を置き換えてはいけないので、追加の素材にはその制限を1つずつ明示的に付けます。
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複数キーフレームによる進行の制御#
工程に意味のある状態が3つ以上ある場合は、その一式をまとめてキーフレームに格上げします。「@Image 1から@Image Nまでを、この順番でキーフレームとして使ってください」と書き始め、各画像に段階1つ分の目に見える終了状態を割り当てます。
身につけておきたい点が2つあります。キーフレームは1枚のコマ割りにまとめるより、独立した画像のほうがよく合致します。別々のファイルとしてアップロードしてください。もう1つは、キーフレームが制御するのは段階の順序と主要な状態であって、その間のすべてのフレームではないということです。動きの補間は、依然としてモデルが行います。
ストーリーボードのコマ割り#
ストーリーボードのコマ割りが伝えるのは、物語、ショットの順序、おおよその構図です。ピクセル単位で再現するための仕様書ではありません。コマ数は15以内に抑え、線のきれいな線画か棒人間で描き、文字ラベルは最小限にします。コマは順序として読まれるためにあり、描画されるためにあるのではありません。
コマ割りは絵である以上、最大の失敗はスタイルの染み出しです。読む順序を述べたうえで、線画のタッチ、文字ラベル、仮の人物を引き継がないようモデルに明示してください。
ローンチ時の公式文書は、同じプロンプトを4つの部分として整理しています。絵コンテが長くなったときのチェックリストとして便利です。
- コマが何を表すのか — 各コマは完成したショットであって、個々の人物やシーンではないと明言します。
- 主な舞台と登場人物 — 参照画像を引き合いに出し、人物、動物、物体をそれぞれ詳しく説明します。
- ショットごとの記述 — 構図、ショットサイズ、カメラワーク、動作を制御しながら、コマを1枚ずつたどります。
- 全体に関わる内容 — 全体のビジュアルスタイル、音声、禁止する要素です。
登場人物を参照画像に結びつける作法は、Seedance 2.5の参照素材プロンプトガイドで扱ったものと同じです。絵コンテがモデルに伝えるのは「いつ」であり、「誰が」を伝えられるのは、結びつけられた参照素材だけです。
ブロックアウト参照:最も深い制御手段#
ブロックアウト、つまりグレーの3Dプリビズは、Seedanceの公式文書で白モデルやClay Rendererと呼ばれているもので、モデルに渡せる最も精密な計画です。プロンプトを書く前に、手元にあるのが2種類のうちどちらなのかを決めてください。引き継ぐ内容が正反対だからです。
| 種類 | 向いている用途 | 素材の条件 | プロンプトの焦点 |
|---|---|---|---|
| 粗いブロックアウト | 動作、経路、立ち位置、カメラワーク、カット割りを下見するための単純な形状 | 形状同士の関係が明確で、動作の流れが最後まで通っていること。人物、小道具、シーンの画像を追加してもよい | ブロックアウトの各対象を対応づけ、どの時間的・空間的情報を引き継ぐかを述べる |
| 精細なブロックアウト | 新しい人物、素材、色、シーン、スタイルが必要な、作り込まれたモデリング | 完成した清潔なモデル。経路線、座標軸、カメラの視錐台が写り込んでいないこと | 構造、動作、カメラワークを保持しつつ、描き直す属性を定義する |
こうした参照素材を作るために、ByteDanceはMayaとBlender向けのClay Rendererプラグインを提供しています。ローンチ時の説明は現状について率直で、粗い粒度のほうが精細なものより良い結果になるとしています。モデリングの時間をどこに使うか選ぶなら、細部ではなく、整理された立ち位置と動線の設計に使ってください。
粗いブロックアウトは動きの骨格を与える#
粗いブロックアウトは、人物や小道具の代わりに球、円柱、直方体を置いたものです。見た目に関する情報は一切与えません。その役割は純粋に時間と空間にあります。移動経路、立ち位置、登場と退場、カメラの経路、カット点、照明の変化、音のリズムです。
| ブロックアウトが持つ情報 | プロンプトで述べること |
|---|---|
| 経路 | 動作の軌道、移動方向、被写体の立ち位置、登場と退場の順序 |
| カメラワーク | カメラの位置、経路、方向、速度の変化 |
| 照明 | 光の方向、明るさの変化、その変化が起きるタイミング |
| カット | カットの位置と、各カットの前後の被写体または構図 |
| 音声 | 台詞、音楽、環境音、動作の効果音を引き継ぐかどうか |
決定的に重要なのは対応づけの行です。すべての幾何形状に名前を与え、最終的な被写体と1行ずつ結びつけます。
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精細なブロックアウトは完成モデルを描き直す#
精細なブロックアウトはすでに構造が完成しているので、もはや動きを説明する作業ではありません。レンダリングを発注する作業です。構造、動作、空間のレイアウト、カメラの位置、カメラワーク、カット割りは保持し、素材、色、人物、シーン、スタイルを置き換えます。
ここでは後始末が、他のどこよりも重要になります。書き出しから経路線、座標軸、コントローラ、カメラの視錐台を取り除いてください。画面に写っているものはすべて、実在する物体として描画される候補になります。
Clay Rendererの定型#
ローンチ時の公式文書は、粗いブロックアウト向けのプロンプトを順序付きの5ブロックに圧縮しています。上のテンプレートとそのまま対応するので、書き出し設定の隣に置いておく価値があります。
[Reference statement] + [Correspondence mapping] + [Plot details] + [Scene processing] + [Overall conclusion]
- 参照の宣言(Reference statement) — ブロックアウト動画から、カメラワーク、動作、動線、照明の変化、人物の配置、音声、映像のリズムのうち何を取り込むか。
- 対応づけ(Correspondence mapping) — どの幾何形状が、どの名前の人物、小道具、シーン要素になるか。
- 展開の詳細(Plot details) — 動作、表情、台詞、照明の変化を含めた、時系列での展開。
- シーンの処理(Scene processing) — 背景。文章で書くか、シーンの参照画像に結びつけます。
- 全体のまとめ(Overall conclusion) — 全体のスタイル、一貫性の制約、音声の扱い。
シームレストランジションで2つのクリップをつなぐ#
シームレストランジションは、2つの独立したクリップのどちらにも手を加えずに、その間をつなぐ映像を生成します。プロンプトは公式文書と同じ順序で書いてください。前の動画、後の動画、きっかけとなる動作、カメラワーク、視覚的な変形、到達した状態、音声の順です。
| トランジションの手法 | 指定すべきこと |
|---|---|
| 飛び込みまたは後退の移動 | カメラの方向、速度の変化、次のシーンが始まるタイミング |
| 人物の回転 | ポーズ、回転方向、衣装や背景がどのように連続して変化するか |
| 前景による遮蔽 | 前景の物体が画面を覆うタイミングと、そのあとの構図 |
| 物体のモーフィング | 対応する形状、素材、変形の過程 |
| 寄り引きまたはピントの変化 | カメラワーク、ピントを合わせる対象、連続した空間の位置関係 |
実際のつなぎの例です。@Video 1の終わりで赤い傘がカメラに近づき、画面を覆い尽くします。カメラは前進を続け、傘の円い縁が天窓の金属リングに、赤い生地が白い昼光に変わります。動きはやがて@Video 2の見上げる開始構図に落ち着き、雨音はギャラリーに反響する足音へと移り変わります。
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ワンクリック動画は、正しい順序で#
ワンクリック動画は、複数の画像と、任意でスタイル参照用の動画を組み合わせて、テンポと仕上げの統一された1本に組み上げます。「この素材を動画にしてください」では指示として足りません。次の6点を順に押さえてください。素材の役割、画像の順序、動きの量、編集のスタイル、映像の処理、音声です。
画像をアップロード順に並べるのか、指定した順に並べるのか、テーマに沿ってモデルが決めてよいのかを明記します。参照動画をリズムとトランジションのためだけに使うなら、そう述べたうえで、その動画の人物の同一性や場所を使うことを禁じてください。画像1枚あたりの動きは控えめに保ちます。風景ならゆっくりした寄りと視差、人物ならまばたきと小さな身振り程度です。
カメラに写る形で感情を演出する#
「緊張した」「温かい」「息苦しい」といった言葉は方向を示しますが、演技そのものは決めません。目に見える手がかりを2〜4個添えて固定してください。目の動き、眉の力み、口の動き、呼吸、視線の向き、手の動きなどです。顔のディテールをすべて列挙する必要はありません。感情の拍が1つなら、明確な手がかり数個のほうが、形容詞を並べた段落より効果があります。
複数段階に分けてイベントで感情を切り替える構成は、実際に感情が何度も変わる場面のためにとっておきましょう。
そのまま通じる撮影用語#
標準的なカメラ言語は、そのままプロンプトに書けます。
| 種類 | よく通じる用語 |
|---|---|
| ショットサイズ | extreme wide shot(超ロング)、wide shot(ロング)、medium shot(ミディアム)、close-up(クローズアップ)、extreme close-up(超クローズアップ) |
| カメラワーク | push in(寄り)、pull out(引き)、pan(パン)、lateral move(横移動)、follow shot(追従)、orbit(旋回)、dive(急降下)、dolly out(後退移動)、tilt up(上へのティルト)、handheld shake(手持ちの揺れ) |
| カメラ位置と視点 | low angle(ローアングル)、overhead view(俯瞰)、first-person view(一人称視点) |
よく使われる技法も通じますが、それぞれモデルが推測できないパラメータを1つ持っています。
| 技法 | 指定すべきこと |
|---|---|
| One-take shot(長回し) | カメラが通過する被写体、空間、出来事を順番に |
| Dolly zoom(ドリーズーム) | 大きさを保つ被写体と、背景が近づくのか遠ざかるのか |
| Aerial view(空撮) | 視点の高さ、移動方向、見せたい範囲 |
| FPV(一人称視点の飛行) | 飛行または移動の経路、速度、旋回 |
| Bullet time(バレットタイム) | 止めるまたは遅くする動作と、カメラの旋回方向 |
| Handheld camera(手持ち撮影) | 追う被写体と、揺れの量 |
| Bounce speed ramp(跳ね返る速度変化) | 動作が加速、減速、跳ね返る位置と、静止したときの状態 |
業界内で使い方が定まっていないニッチな用語は、用語を残したうえで意味を書き下してください。用語、対象となる被写体、視覚的な変化、前景と背景の関係、方向または速度の順です。「Rack focus:前景の葉から背景の人物へピントを滑らかに移す。葉は徐々にぼけ、顔はぼやけた状態から鮮明に変わる」といった書き方になります。同じ語彙をOmniArtの他の動画モデルで使う方法は、映画的なAI動画プロンプトガイドで扱っています。
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手元にある最小の計画を1つ選んでください。2枚のフレーム、4コマの絵コンテ、10秒の仮組みなどです。そしてSeedance 2.5を選んだ状態で動画ワークスペースを開きます。計画をアップロードし、3つの仕事をこなすプロンプトを書きます。すべての素材に役割を割り当てること、引き継ぐものを名指しすること、無視するものを名指しすることです。生成したら、結果を絵コンテとコマ単位で見比べ、外れた行だけを締め直します。
そこから先は、同じ習慣を大きくしていきます。2枚の基準フレームをキーフレームの連なりに格上げし、絵コンテを粗いブロックアウトに格上げし、対応づけの記述はプロジェクト間で使い回します。今回のリリースで何が変わったのか、全体像はSeedance 2.5で何がリリースされたかをご覧ください。


