Seedance 2.5の30秒動画プロンプト:段階の設計とタイミング制御
崩れないSeedance 2.5の30秒動画プロンプトを書く方法。物語を段階に分け、1段階につき状態変化を1つ、終了状態は目に見える形で指定し、精度が必要な箇所にだけタイムスタンプを重ねます。

5秒のクリップは描写です。30秒のクリップは脚本です。短いプロンプトを上手に書ける人が、長さを求めた途端にぼやけた結果を受け取るのは、この違いが原因です。モデルが必要としているのは一連のチェックポイントなのに、書き手はより濃密なシーン描写を書き続けてしまいます。Seedance 2.5はOmniArtの動画ワークスペースで利用でき、一度の生成で4〜30秒、Long Videoモードならさらに30〜180秒を出力します。つまりSeedance 2.5の30秒動画プロンプトでは、形容詞よりも構成のほうが重要になります。
以下の手法は、モデルが長いプロンプトを実際にどう読むかに基づいています。物語を連続する段階に分け、各段階には主要な状態変化をちょうど1つだけ与え、視聴者が画面上で指させるような終了状態を書きます。タイムスタンプを重ねるのはそのあとで、しかも本当に精度が必要な箇所だけです。
これは番号付きショットリストへの回帰ではありません。ショットリストはカメラの操作方法をモデルに指示するものですが、段階はその段階が終わった時点で何が成立していなければならないかを伝えるものです。短いクリップを指定しすぎることへの反論は、ショットリストを書くのはやめようで述べたとおり今も有効です。段階は状態のチェックポイントであり、カメラ設定ではありません。
長い動画は、短い動画とは違う壊れ方をします
4秒のクリップには、自分自身と矛盾するだけの時間がほとんどありません。30秒にはあります。そして破綻は4か所に集中します。
- 人物の同一性。 2秒時点の人物と24秒時点の人物が、同一人物ではなく親戚同士のように見えてしまいます。
- 衣装と小道具。 ジャケットの色味がずれ、リボンの色が変わり、作業台にあった工具が突然手の中にある、あるいはその逆が起きます。
- 小道具の所有者。 受け渡しをまたぐと、誰が何を持っているのかをモデルが見失います。2人が登場する場面で最も多い破綻です。
- 空間の方向。 カットのあとで作業台の向きが反対になったり、画面左に退場した人物が同じ左から再登場したりします。
どれも描写を増やしても直りません。直すには、各段階の境目で、そこが何の状態を引き継ぐのかをモデルに伝えます。Seedance 2.5は、長い生成における人物の特徴、衣装のディテール、シーンの空間構造の維持が以前のバージョンより明確に良くなっていますが、それでも照合先となるチェックポイントは必要です。
シーンではなく段階を書く
長尺動画の構成は、ラベルを付けた小さなブロックの集まりです。以下をコピーして埋めてください。
[Generation Goal]
Generate a <video type>. The central subject is <subject>, and the primary event is <story summary>.
[Stage 1]
Initial state: <initial state of characters, props, and scene>.
Primary event: <one primary action or event>.
End state: <character positions, prop ownership, or visible scene state>.
[Stage 2]
Continue from the previous stage: <state that must remain unchanged>.
Primary event: <one primary action or event>.
End state: <observable state>.
[Stage 3]
Primary event: <closing event>.
End state: <final visible state>.
[Maintain Consistency]
Keep <character identity, number of characters, clothing, prop ownership, spatial direction, and audio relationships> consistent.
30秒の生成なら、3段階が扱いやすい既定値です。以下は修理カフェの場面に当てはめた例です。登場人物は2人、1つの物が2回持ち主を変えます。1つの段落として書くと、まさに一貫性が崩れやすい形です。
[Generation Goal]
Generate a documentary-style instructional video. The central subjects are <Volunteer> and <Owner>, and the primary event is repairing a desk lamp with a frayed cord and returning it working.
[Stage 1]
Initial state: <Volunteer> stands behind a wooden repair bench in a bright community hall. The desk lamp sits unlit on the bench, and a small metal tray and screwdriver lie to the right of it.
Primary event: <Volunteer> unscrews the lamp base and lifts it away, exposing the wiring.
End state: the lamp base is open on the bench, three screws are in the metal tray, and the screwdriver is back on the right side of the bench.
[Stage 2]
Continue from the previous stage: both characters keep the same identities and clothing, the lamp base stays open on the bench, and the screws stay in the tray.
Primary event: <Volunteer> cuts away the frayed cord and fits a new braided cord into the base while <Owner> holds the lamp head steady.
End state: the frayed cord lies coiled at the left edge of the bench, the new braided cord runs from the base to the floor socket, and <Owner> still holds the lamp head with both hands.
[Stage 3]
Primary event: <Volunteer> closes the base, plugs the cord in, and <Owner> presses the switch.
End state: the lamp stands upright and lit in the center of the bench, and both characters look at the lit lamp from behind the bench.
[Maintain Consistency]
Keep <Volunteer> and <Owner>'s identities, clothing, the bench orientation, the tray position, and lamp ownership at each handoff consistent. Only two people are in frame throughout. Pure video, no subtitles, no background music.
1段階につき状態変化は1つ
これを機能させる規律は、地味ですが例外を認めないものです。1段階につき主要なイベントは1つ。ある段階に「土台のねじを外し、コードを交換し、ランプを点灯確認する」と書けば、モデルは3つの拍に自分で時間を配分することになり、たいていは2つを駆け足で済ませるか、1つを落とします。段階を分けてください。
終了状態は目に見えるものにする
終了状態とは、スクリーンショットが撮れる1フレームのことであって、感覚ではありません。「修理が完了している」では、モデルが収束すべき対象がありません。「ランプが作業台の中央に立ち、点灯している」なら目標になりますし、しかも次の段階が引き継ぐ状態まで自動的に決まります。終了状態は、位置、所有者、目に見えるシーンの状態で書いてください。何がどこにあり、誰が持っていて、何がついていて何が消えているか、です。
ヒント
タイムスタンプ:本当に精度が必要な箇所に
Seedance 2.5は、タイムスタンプによる展開とショット区間の制御に、秒単位の精度でネイティブ対応しています。ローンチ時の案内によれば、ショット、台詞、動作の直前に[00.0-05]のような区間マーカーを書き、そのあとを時間順に記述します。
既定では段階で書きます。1秒単位の精度に手を伸ばすのは、受け渡し、登場や退場、トランジション、あるいは明示的な拍を制御したいときです。音楽との同期、製品のお披露目、すでに絵コンテを切ったカットなどが該当します。
| パターン | 例 |
|---|---|
| 時間の範囲 | 0-3 seconds... 3-7 seconds... 7-12 seconds... |
| 正確な時刻 | At 5 seconds, the camera whip-pans rapidly to the left and completes the transition. |
| 相対的なタイミング | Three seconds after the character presses the button, the room lights gradually turn off. |
ルールは短いものばかりです。
- 連続していて、重ならないこと。 区間はタイムラインを隙間なく敷き詰めます。すき間や重なりがあれば、予想どおりの混乱が起きます。
- 区間は時間の予算であり、編集点ではありません。 動作は境目より少し前や少し後にずれることがあります。納品物にフレーム単位で正確なカットが必要なら、それはポストプロダクションの仕事です。
- 内容の密度が体感を決めます。 区間に対して内容が少なすぎるとモデルに自由を与えてしまい、間を埋める何かを勝手に作ります。多すぎるとカットが過剰になったり、イベントが落ちたりします。
- 頻度を要求しないこと。 「1秒間に3つの動作を完了させる」はテンポの指示ではなく、混乱を注文しているのと同じです。
タイムスタンプと段階は相性よく組み合わせられます。段階のブロックはそのまま残し、テンポを本当に気にしている1つか2つの段階にだけ区間を付けてください。
グローバル設定と破綻防止のブロック
ローンチ時のガイドは、長いプロンプトのために段階の上へブロックを1つ追加しています。世界観を一度だけ固定し、段階ごとに導き直さずに済むようにするグローバル設定のセクションです。基本となる環境と質感、ビジュアルスタイル、カメラ言語、人物のスタイリング、演技の核、そして禁止事項の一覧が含まれます。
有用なのは最後の一覧です。Seedance 2.5は否定的な指示を守る精度が上がったため、肯定の行(画面の内容、カメラワーク、動作、台詞、効果音)と否定の行(現れてはいけないもの)を分けて書くやり方は、全体だけでなく段階ごとにも書く価値があります。「字幕なし、背景音楽なし」はもはや願望ではなく実効性のある指示になり、推奨される書き方は直接的です。「pure video, no subtitles, no background music」と書きます。そこへ、自分のショットに特有の失敗パターンを足してください。余計な人物を出さない、大きな体の動きを入れない、台詞を勝手に作らない、といった具合です。
一貫性のブロックで締める
[Maintain Consistency]のブロックは飾りではありません。最後の1か所に、人物の同一性、画面に映る人数、衣装、小道具の所有者、空間の方向、音声の関係(誰が話し、何が無音のままか)をまとめて書き直します。2行で済み、この記事の冒頭に挙げた崩れ方に対する最も安上がりな防御になります。
どのモードを選ぶか:単発生成、延長、Long Video
Seedance 2.5で長さを得る方法は3つあり、互いに置き換えはできません。
| 方法 | 長さ | アスペクト比 | 選ぶ場面 |
|---|---|---|---|
| 単発生成 | 一度の生成で4〜30秒 | 指定できます | 全体が途切れのない1本に収まり、内部の一貫性を最も強くしたいとき |
| 動画の延長 | 30秒以下の結果を延長し、合計60秒まで積み上げ | 入力動画の比率に固定されます | すでに気に入ったテイクがあり、1区間ずつ演出を続けたいとき |
| Long Videoモード | 一度の生成で30〜180秒 | 指定できます | 作品が本当に長尺で、つなぎ合わせでは成立しないとき |
延長は「分割して演出する」道筋です。10秒を生成して確認し、次の区間を指示します。長さは延長ごとに指定できますが、アスペクト比は入力から引き継がれ、変更できません。Long Videoモードは30〜180秒の作品でつなぎ合わせを完全に省きます。風景を映すプロモーション映像、ミュージックビデオ、感情の起伏に尺が必要な独白中心の短編などが向いています。
特に長いプロンプトについて、ローンチ時のガイドはここまでの内容に要素を1つ足しています。目標の長さとアスペクト比というグローバルパラメータを、プロンプト本文の冒頭で改めて書くことです。生成が長い分、操作画面で1回、プロンプトで1回と二重に伝えておくほうが安全な習慣になります。残りの構成は見慣れたものです。グローバルパラメータ、アップロードした素材がそれぞれ何なのかを示す素材の説明、1文の概要、時系列としての具体的な展開の記述、そして最後に全体への補足です。
出力解像度は480pか720pなので、長い作品では仕上げの工程をそれに合わせて計画してください。
率直に伝える限界
- タイムスタンプはイベントに時間を割り当てるものです。フレーム単位で正確な編集点ではありません。
- 編集用のプロンプトは、重要なイベントが元動画と一致する確率を高めますが、フレーム単位の一致を保証しません。
- 複数の参照素材を使う作業とは、シーンごとに正しい素材を選ぶことであり、すべての素材を一度に登場させることではありません。
- 正確な字幕、数式、看板の文字、製品仕様、フレーム単位のタイミングが必要なら、事前に用意した参照素材、生成、ポストプロダクションを組み合わせてください。プロンプトだけで運びきることを期待しないでください。
- 延長部分の境界フレームは、ピクセル単位ではなく視覚的に自然につながるものです。また、延長した区間の音量は元の素材とわずかに異なることがあります。
OmniArtで始める
一度失敗した30秒のアイデアを1つ持ってきてください。それを3段階に書き直し、各段階に主要なイベントを1つと、スクリーンショットが撮れる終了状態を与え、最後に一貫性のブロックを足します。動画ワークスペースのSeedance 2.5で生成し、段階の境目だけを見てください。チェックポイントが機能したかどうかは、そこに表れます。
境目が崩れたときの直し方は、ほぼ必ず、描写を足すことではなくその段階を分割することです。そこから先は、Seedance 2.5で何がリリースされたかで機能全体を確認し、単発生成では尺が足りなくなったところからは動画編集と延長へ進んでください。
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