エージェント向けMiniMax H3プロンプト作成スキルの導入方法
MiniMax H3のプロンプト作成スキルを導入し、動画タスクのモードを選び、制作企画を正確な基本モードまたはRef2VAの出力形式に変換する方法を解説します。

MiniMax H3のプロンプト作成スキルを使うと、AIエージェントは制作依頼をH3向けの映像・音声プロンプトへ決められた方法で変換できます。形式をその場で考えさせるのではなく、スキルを導入して生成モードを特定すれば、そのモードで必要なフィールドと参照ラベルを受け取れます。
本記事はH3のあらゆるプロンプト技法を網羅するものではなく、スキルの設定と使い方に焦点を当てています。MiniMax公式のMiniMax-H3リポジトリにあるファイルを基に、h3-prompt-writingスキル、基本モードガイド、全参照ガイドを扱います。参照の役割、保持ルール、制作プロンプトを幅広く知りたい場合は、既存のMiniMax H3プロンプトガイドを別に開いてください。
MiniMax H3プロンプト作成スキルを導入する
AIコーディングまたは制作エージェントを使うプロジェクトで、MiniMaxリポジトリが公開している単一スキル用コマンドを実行します。
npx skills add https://github.com/MiniMax-AI/MiniMax-H3 --skill h3-prompt-writing
このコマンドで導入されるのはh3-prompt-writingだけです。リポジトリには特定スタイル向けの動画生成スキルも8個含まれるため、名前で選べば設定をプロンプト作成に絞れます。
導入したスキルには2つの参照ガイドがあります。
references/base-en.txtはT2VA・I2VA・FL2VA・L2VAを扱います。references/ref-en.txtは全参照のRef2VAを扱います。
この区別は動画のテーマより重要です。エージェントは依頼における入力の関係からガイドを選び、そのフィールド名、セクション順、ラベル、時間表記を保持する必要があります。
書き換えを頼む前にH3のタスクモードを選ぶ
モードが分かっている場合はエージェントに明示します。不明な場合は、どの境界フレームと参照素材があるかを説明し、依頼を分類できるようにします。
| モード | 入力と関係 | スキルが作成する内容 |
|---|---|---|
| T2VA | テキストのみ | 企画から組み立てる完全な映像・音声の流れ |
| I2VA | 最初のフレームを提供 | そのフレームから先へ展開する経路 |
| FL2VA | 最初と最後のフレームを提供 | 2つの境界フレームを結ぶ連続した経路 |
| L2VA | 最後のフレームを提供 | 自然な開始から最終フレームへ収束する経路 |
| Ref2VA | 参照画像または動画と、任意の音声の役割 | 6セクションの全参照分析とショット説明 |
T2VA・I2VA・FL2VA・L2VAはスキルの基本モードです。3フィールドの本文を共有し、I2VA・FL2VA・L2VAはその上に正確な位置合わせ指示を追加します。T2VAは最初のフィールドから直接始まります。
Ref2VAは、添付ファイルが多いだけの同じテンプレートではありません。参照を定義し、その役割と保持関係を分類し、各参照がいつ作用するかを記述する独自の6セクション規約があります。
依頼が詳細という理由だけでRef2VAを選ばないでください。参照内容を出力内で定義し、継続して追跡する必要がある場合に選びます。
基本モードの正確な出力構造を理解する
すべての基本モードの本文は、次の3つのフィールド名をこの順序で使います。
integrated_multimodal_description: [Shot 1] ...
overall_soundscape: ...
non_diegetic_music: ...
integrated_multimodal_descriptionには、時間軸に沿って視覚スタイル、構図、被写体、環境、動作、カメラ、台詞、歌唱、同期する劇中音を記します。overall_soundscapeは動画全体の環境音、動作音、非言語の人声をまとめます。non_diegetic_musicは登場人物には聞こえず観客にだけ聞こえる音楽で、ない場合はN/Aです。
キーフレームモードによって位置合わせ行が変わります。公式ガイドは次の形式を指定しています。
I2VA
For the target video, at 0.00 seconds into the target video, <Picture 1> (from [Shot 1]) is fully referenced.
FL2VA
How the reference pictures align with the target video — Picture 1 (from Shot 1) aligns with the 0.00-second mark of the target video; Picture 2 (from Shot N) aligns with the S.SS-second mark of the target video.
L2VA
How the reference pictures align with the target video — <Picture 1> (from [Shot N]) aligns with the S.SS-second mark of the target video.
完成した書き換えでは、Nを実際の最終ショット番号に、S.SSを小数第2位まで表記した有効な動画時間に置き換えます。この行を先頭に置き、空行を1つ挟んで3フィールドの本文を続けます。T2VAには位置合わせ行がありません。
ショット時間にも規則があります。[Shot 1]にはタイムスタンプを付けず、後続ショットは[Shot 2] At 00:03.500, ...のように動画時間内で単調増加するカット時刻から始めます。選択したモード、位置合わせ行、最終ショット、動画時間が一致して初めて、基本モードの出力が完成します。
Ref2VAの正確な出力構造を理解する
全参照モードは、次の順序で6つのセクションを返す必要があります。
subject_definitions:
...
summary:
[reference generation] ...
retention_analysis:
<Subject 1> (appears in [Shot 1]): fully_preserved - ...
detailed_description:
...
overall_soundscape:
...
non_diegetic_music:
...
各ラベルには異なる役割があります。
<Subject N>は人物、物体、場面、スタイル、動作、インターフェース、エフェクトなど、再利用できる可視内容を表します。<Picture N>は具体的な目標フレーム、キーフレーム、構図の基準、絵コンテ参照として使う画像です。<Video N>は編集、続きの生成、または動画全体の時間構造に使う元動画です。<Audio N>はコピーまたは参照する独立音声信号や、有効になった同期音声トラックです。
各カテゴリは独立して採番します。参照動画から取り出す可視の被写体にも<Subject N>を使い、<Video N>はファイルまたは動画全体との関係を表します。同様に、動画ファイルに音があるだけでは<Audio N>項目は自動生成されません。
summaryは角括弧内の公式タスク種別で始めます。keyframe completion、reference generation、video editing、video continuation、audio reuse、audio referenceのうち、複数が当てはまる場合は+でつなぎます。
retention_analysisは各ラベルに明確な関係を割り当てます。可視内容はfully_preserved、partially_preserved、attribute_transfer、weak_referenceを使い、音声はfully_copy、partially_copy、reference、weak_referenceを使います。これは一般的な品質評価ではなく、意図した関係を示す印です。
最後に、Ref2VAでは基本フィールドのintegrated_multimodal_descriptionをdetailed_descriptionに置き換えます。MiniMaxのガイドは生成タスクについて通常350〜500語の英語を求め、各ショットの構図、被写体、環境、照明、動作、状態変化、カメラの動き、音、参照の使い方を十分詳しく記すよう定めています。台詞が多い場合は、語数を機械的に満たすより完全な発話時間軸を収めることを優先します。
エージェントに基本モードのプロンプトを依頼する
導入後はスキル名を指定し、簡潔な制作企画を渡します。付属するエージェント設定では、既定の依頼に$h3-prompt-writingを使います。
次のFL2VA依頼はそのまま貼り付けられます。
Use $h3-prompt-writing to rewrite this request as a MiniMax H3 FL2VA prompt.
Duration: 8.00 seconds.
Picture 1: the supplied first frame, a closed field notebook on a rain-darkened café table.
Picture 2: the supplied last frame, the same notebook open to a pressed violet flower.
Action: one hand enters, opens the notebook, and stops on the flower page.
Camera: one continuous shot with a slow, small push in.
Sound: quiet café room tone, rain against glass, paper and cover movement.
Dialogue: none.
Non-diegetic music: none.
Preserve the table position, notebook identity, hand continuity, lighting direction, and final composition. Return only the final rewrite in the official base-mode structure.
明示したモード、正確な動画時間、各画像の明確な役割、実現可能な移行経路、音の選択、出力制約が重要です。エージェントはFL2VAの位置合わせ行を最初に返し、共通の3フィールドを使い、8.00秒でPicture 2に到達する必要があります。
I2VAでは2枚目の画像を、最初のフレームから展開する動作に置き換えます。L2VAでは、指定した最終フレームより前に起きる出来事を説明します。T2VAでは画像参照を外し、エージェントがテキストから開始構図と映像・音声の流れを作れるだけの情報を渡します。
エージェントに全参照プロンプトを依頼する
各素材の役割が明記されているほど、Ref2VAの依頼は明確になります。次の貼り付け可能な依頼は、同一性、動き、音声の指示を分離しています。
Use $h3-prompt-writing to rewrite this request as a MiniMax H3 full-reference Ref2VA prompt.
Target: a 10-second, three-shot product demonstration.
Picture 1: preserve the reusable bottle identity, silhouette, cap, label placement, and material finish.
Video 1: reference only the demonstrator's hand action and the three-shot cut rhythm; do not reuse its product, set, or wardrobe.
Audio 1: reference the percussion tempo for edit timing without copying the source signal.
Shot flow:
1. Establish the bottle centered on a stone counter.
2. A hand presses the pump once and the lotion lands on the back of the other hand.
3. End on the bottle and a small lotion smear beside it.
No dialogue or visible text beyond the preserved label. Use new room ambience and restrained audience-only percussion. Return only the six official Ref2VA sections in their required order, with consistent labels and explicit retention markers.
この依頼はエージェントに代わってsubject_definitionsを書きません。スキルが定義を作り、要約を参照生成と音声参照に分類し、各ラベルの保持または転用関係を説明できるだけの出典と再利用意図を渡します。
素材が1つの属性だけに作用すべき場合は明記します。動きの動画は、出演者、衣装、セット、商品、カメラ、音声を制御せず、手の動作だけを案内できます。
2段階のエージェント手順を使う
スキルの出力を構造化された下書きと捉え、決められた確認を行います。
- 素材一覧を作成します。 すべての文章指示、フレーム、画像、動画、音声素材を列挙し、各素材が制御するものとしないものを記します。
- タスクモードを固定します。 書き換え前にT2VA・I2VA・FL2VA・L2VA・Ref2VAのいずれかを選びます。
- 納品条件を伝えます。 動画時間、ショット数、境界フレーム時刻、台詞、画面内テキスト、音楽の有無を含めます。
- 公式構造だけを依頼します。 フィールドの欠落、セクションの順序違い、プロンプト外の説明を見つけやすくなります。
- 企画を変えずに確認します。 最初に構造、参照、時間、発話内容、音声配置を確認します。
- 一度に1階層だけ修正します。 承認済みのセクションを保持し、特定の不一致だけを直すよう求めます。
2回目には次の指示を使います。
Review the rewrite against the h3-prompt-writing guide. Keep the creative brief unchanged. Correct only field order, unresolved reference labels, shot timestamps, duration alignment, dialogue preservation, and diegetic versus non-diegetic audio placement. Return the corrected prompt only.
この確認用プロンプトは、形式修正が気付かないうちに内容の改変へ変わる可能性を抑えます。
生成前に出力を確認する
エージェントが書き換えるたびに、次の項目を確認します。
- モード: 実際の入力関係に合うガイドを使っています。
- 基本構造: T2VAは
integrated_multimodal_descriptionから始まり、I2VA・FL2VA・L2VAはその上に正しい位置合わせ指示を置いています。 - Ref2VA構造: 6フィールドが必要な順序で1回ずつ現れ、
integrated_multimodal_descriptionではなくdetailed_descriptionを使っています。 - ラベル: すべての
<Subject N>、<Picture N>、<Video N>、<Audio N>が全セクションで同じ意味を保ち、未定義のラベルが後から出てきません。 - 参照の役割: 被写体、具体的なフレーム、動画全体との関係、音声信号に正しいラベル種別を使っています。
- 保持: 追跡するすべての参照に、依頼と合う許可済みの関係マーカーがあります。
- ショット:
[Shot 1]にはタイムスタンプがなく、後のカット時刻は動画時間内で厳密に増加します。 - 境界フレーム: I2VAは最初のフレームから始まり、FL2VAは最後のフレームに到達し、L2VAは指定した最終フレームへ収束します。
- 発話とテキスト: 台詞、歌詞、画面内テキストは元の言語と文言を保ち、書き換えの説明は英語です。
- 音声: 台詞と同期した劇中音は主説明に、動画全体の環境音は
overall_soundscapeに、観客だけが聞く音楽はnon_diegetic_musicに置きます。 - 実現性: 記述した動作が動画時間に収まり、最後の瞬間が意図せず途中で切れません。
- 出力の整理: あらすじ、非対応素材、競合する役割、プロンプト外の説明をエージェントが追加していません。
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このスキルは、素材一覧と制作企画を生成前に確認できるプロンプトへ変える準備段階として最も役立ちます。ラベルは素材の順序と意味が安定している場合にだけ有効なので、承認した出力を元ファイルと一緒に保管してください。
確認済みのプロンプトと対応素材をOmniArtの動画制作スタジオへ持ち込みます。H3のフィールド構造ではなく制作企画自体を改善する場合は、MiniMax H3プロンプトガイドに戻ってください。ガイドで目的を決め、h3-prompt-writingで選択したH3規約に沿って表現し、チェックリストで生成前の構造ミスを止めるという分担です。
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